販売代理店または Google 公式のどちらから Google Workspace を購入することになります。どちらでも同じ Google Workspace ですが、支払いや契約などに違いがあります。
この記事では Google Workspace 販売代理店での購入について、個人で Google 公式から購入した時の違いや選ぶポイントについてご紹介します。
Google Workspace 販売代理店とは
Google Workspace 販売代理店とは、Google が Google Workspace の販売代理を許可した Google Workspace パートナー企業のことです。
公式サイトでは Google 販売パートナー (リセラー) と呼ばれています。
Google Workspace 販売代理店も Google から Google Workspace を購入しており、仕入れた Google Workspace を顧客に再販売しています。販売代理店は Google パートナー特典で通常よりも 5 〜 20%OFFの価格で仕入れることができます。この割引率は Google Workspace のパートナーレベルによって違います。
Google Workspace 販売代理店は、Google の代わりに Google のサポートが届かな地域や企業にサポートケアを補うという形になっており、地域のユーザーに Google テクノロジーの説明・保証を行ない、ユーザのビジネスを拡大させるという使命/役割が与えられています。
※ 詳しくは「パートナー企業が謳っている Google Cloud パートナーとは?」を参照ください
販売代理店 or 公式の比較
販売代理店・Google 公式との違いは次になります。
Google 公式 | 販売代理店 | |
---|---|---|
契約期間 | 月または年間 | 年間 |
請求 | 月額払い | 一括払い |
支払い方法 | クレジットカード | 銀行振込 |
支払い通貨 | 日本円 または米国ドル | 日本円 |
請求書/領収書 | Google フォーマット (世界共通) 発行・ダウンロード可 | 会社独自フォーマット 発行・ダウンロード可 |
サポート | Google サポート可 | Google および独自サポート可 |
管理者 | 契約者 | 販売代理店 |
利用人数 | 1名から | 10名以上から |
契約期間
多くの販売代理店ではオペレーションの簡略、支払いの問題により、年間契約になっています。
詳しくは:フレキシブルと年間プランの仕組み、違いについて
Google 公式
フレキシブル プランと定期/年間プラン、どちらでも選ぶことができます。
フレキシブル プランでは契約期間がないため、自由に解約することが可能です。
販売代理店
年間契約のため、途中で解約することはできません。
解約するには次の契約更新月まで待つ必要があります。
支払い方法
日本での Google と契約した場合は基本クレジットカード払いになります。
販売代理店では銀行振り込みで支払うことができるため、法人カードがない場合に適しています。
Google 公式
日本ではクレジット カードまたはデビットカードのみです。
販売代理店
銀行振り込みに対応しています。
また、請求書払いが可能です。
支払い通貨
Google、販売代理店ともに日本円で支払うことができます。
日本円以外で支払うと税務処理は非常に厄介なので日本円で支払いするのが最適です。
Google 公式
日本では、日本円 (JPY) または 米国ドル (USD) のどちらかを選択することができます。
利用国によっては現地通貨で支払うことができます。
販売代理店
日本円のみです。
請求書/領収書
販売代理店の請求書は販売代理店が作成した独自のフォーマットのため、要望に合わせて表記やフォーマットを変更してくれる柔軟な対応をしてくれます。
一方 Google からの請求書 / 明細書 / 領収は決まったグローバル共通フォーマットです。
Google 公式
毎月、請求書がメールは配信、または Google 管理コンソールから毎月の請求書/領収書をダウンロードすることができます。
Google 社の請求書でも会計処理を行うことができます。
販売代理店
Google の請求書ではなく、販売代理店の請求書が届きます。
日本の会計用に合わせたフォーマットなので問題なく処理することができます。
サポート
Google で契約していた場合は Google のみのサポートしか受けることができませんが、販売代理店の場合は契約していても Google 公式のサポートも受けることができます。
Google・販売代理店ともにある程度無料でサポートは行いますが、高度な技術を求めるユースケースの場合はどちらとも有料になります。
Google 公式
24時間 365日、日本語でサポートを受けることができます。
ドキュメント ベースでのサポートは無料ですが、技術的なサポートは有償になっています。
導入相談をすることができますが公式での回答で塩対応になりがちです。
販売代理店
サポートは営業日のみになります。
初期の導入サポートから相談サポートまでは無償で受けることができますが、ユースケースのようなサポートは有償になるケースがあります。
また、導入前にどのエディションが最適か相談することができるのが販売代理店の大きな特徴です。
管理者
販売代理店と契約している場合は管理権限は販売代理店になります。そのため、ユーザーライセンスの追加/削除・支払いに関しては利用者が一切行えません。
Google と直接契約していた場合はご自身で管理するため、自由に行うことができます。
Google 公式
契約者ご自身で Google Workspace アカウントを管理できます。
販売代理店
管理権限を持っていないため、ユーザーライセンスを追加することができません。
追加する際には販売代理店に連絡し、対応を依頼することになります。
利用人数
販売代理店から購入できるのは法人のみで利用最低人数が定まっています。
個人や小規模の個人事業主は契約できないため、Google から直接購入することになります。
Google 公式
個人また法人どちらでも利用することができます。
また、利用者が 1名からでも契約することができます。
販売代理店
法人のみ契約可能になっており、利用者も 10名以上となっていることが多いです。
販売代理店のメリット/デメリット
メリット
相談から導入のサポートが手厚い
多くの種類がある Google Workspace のエディションからどのエディションがビジネス・組織にあうか相談することができます。また契約後の Google Workspace を有効化するための初期設定に関してのサポートも受けることができます。
デメリット
契約期間が 1年
販売代理店との契約はフレキシブルではなく、1年契約の前払い方式が多いです。
新しくユーザーを増やす場合は契約した残り期間分を支払うことになります。
たとえば、1月に販売代理店で契約して 8月に追加でアカウントを追加する場合は残りの4月分(8〜12月)を支払うことになります。逆に途中で余ったユーザーアカウントが発ししても解約することができないため、その分の料金は返却されません。
アカウントを自由に削除できない
すでに 1年契約で契約しているため、使用しなくなったアカウントを途中で削除(解約)することはできません。削除できるのは契約更新月のみになります。また、ユーザーアカウントの作成権限がないため、新しいスタッフが参加した場合は、代理店に連絡して対応を待つことになります。
いつでもユーザーの削除するには支払いプランが「フレキシブル プラン」にしなければなりません。
販売代理店での値引き
販売代理店によっては定価で提供しているケースと既に割引を宣言しているケースの販売代理店があります。
割引を宣言している販売代理店は自分のマージン率 5 〜 25% を削って販売しています。Google パートナー レベルが高いほどマージン率が高いため、販売代理店から購入するときはレベルの高い会社を選ぶことをおすすめします。また、割引とは別で大口案件やキャンペーンなどが Google から何かしらの特典またはインセンティブ プログラムが行われており、購入数によって大幅な割引を適用されます。。
Google 公式でも 10%OFF プロモーションコードを配布しているので販売代理店で契約する際には割引について聞いてみるのがいいでしょう。
Google Cloud パートナー レベルは「メンバーレベル < パートナー レベル < プレミアレベル」があり、最高位はプレミアレベルになります。パートナー レベルが高いほど Google からのマージン率も高いため、契約する際にはプレミアレベルの販売代理店を探すといいでしょう。
Google Workspace で誤解されていること
個人で利用できる
Google Workspace は個人でも法人、1名でも利用することができます。
販売代理店の場合は最小契約数 (ロット) が定めている場合があり、利用ユーザーが少ない場合は契約を断られる場合があります。その場合は Google 公式から購入することになります。
公式サポートで問い合わせ可能
Google 公式と契約しても Google Workspace サポートチームに問い合わせることができるので、使い方や特性を尋ねることができます。問い合わせ方法は「メール」「電話」「チャット」の 3つです。
より高度なサービス知識、サードパーティ製品の技術サポートを求めるユースケースの場合は有償サポートに加入することで高いサポートを受けることができます。
これは販売代理店との契約していても公式の Google Workspace サポートチームに問い合わせることが可能です。
ユーザーの追加/削除
ユーザーの追加はどのプランでもいつでも行うことができます。しかし、ユーザーの削除はプランによって違います。
フレキシブル プランはいつでもユーザーアカウントを削除することができますが、1年間プランの場合は更新月にしか削除できません。そのため、支払ったアカウント分の料金が返ってきません。
ただ、空いているユーザーアカウントは新しいユーザーに当てることができるため、そのユーザー用に新規購入する必要がありません。
エディションのアップグレード/ダウングレード
Business Starter から Business Plus へのアップグレード、または反対に Business Plus へのBusiness Starter ダウングレードを行うことが可能です。
フレキシブル プランはいつでもアップグレードまたはダウングレードが可能ですが、1年契約の場合はアップグレードはいつでも可能ですがダウングレードは契約更新月のみ可能です。
販売代理店は 1年契約のため、更新月のみにダウングレードすることができます。
円建て払い可能
販売代理店の説明ページで「円建てで支払い可能」と記載されていますが、Google 公式で契約しても円建てで支払いができます。また、毎月の請求書/領収書が発行されているため、社内で会計処理を行うことが可能です。
導入設定は複雑ではない
販売代理店の導入サポートがなくても専門家でなくても Google Workspace の導入は簡単です。
Google Workspace の導入には「ドメイン認証」を行うことになります。認証方法は「メイン所有権を証明& MX レコードの設定方法」をご覧ください。
どこまで無料?テクニカル サポート
販売代理店のテクニカル サポート範囲が記載されていないケースがあり、基本的な使い方は無料、ユースケースや特殊な機能に関しては有償となっている場合があります。
専門スタッフもわからない場合は Google 公式に問い合わせています。つまりは、会社が持っているノウハウ以上のことは答えられないのでテクニカル サポートを利用する場合は販売代理店の実績を調べておいたほうがいいでしょう。
※ 販売代理店によっては、テクニカルサポートを提供していないこともあります。
まとめ
法人で利用する場合は販売代理店 で契約するほうがメリットが多いですが、割引が受けれるかは交渉になります。少人数の場合は販売代理店よっては契約が断られるケースがあります。
個人で利用する / 少人数の法人で利用する場合は Google 公式との契約になります。
販売代理店と契約する際には「個人ブログで 10%OFF プロモーションが配布されていますが貴社でも同様のプロモーションが受けられますか?」と問い合わせてみてください。
販売代理店によっては値引きが行われるかもしれません。
後日談
これは会社が販売代理店 経由で Google Workspace を導入したケースですが、
契約した後は次の契約更月まで公式に障害があっても何も連絡がありませんでした。また、テクニカル サポートを使っても公式のページを渡されるだけでノウハウの共有やソリューション提案がなく、残念な販売代理店に当たったことがあります。
販売代理店によっては質が異なるという話です。
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