Nginx より早くWordPress にピッタリなWebサーバ LiteSpeed についての記事が多くなってきましたが、実データを使った比較レポートが見つからなかったので実際に運用しているWordPress データを使用した比較テストを行ってみました。
インフラ エンジニアではないので精度が高いレポートが作れませんが、自己満足レベルで比較していきたいと思います。
VM 環境について
NGINX とOpneLiteSpeed とも同じデータと環境を用意しました。
構築にはGCP のMarketplace でVM を構築しているため、パッケージに含まれるソフトウェアが異なっております。
- NGINX:WordPress with NGINX and SSL Certified by Bitnami and Automattic
- Debian 10
- Ghostscript 9.05
- ImageMagick 6.9.8
- lego 3.8.0
- MySQL 8.0.21
- NGINX Open Source 1.18.0
- OpenSSL 1.1.1g
- PHP 7.4.9
- phpMyAdmin 5.0.2
- SQLite 3.33.0
- Varnish 6.0.6
- WP-CLI 2.4.1
- LiteSpeed:openlitespeed-wordpress
- Ubuntu 20.04
- PHP 7.4
- OpenLiteSpeed 1.6.15
- phpMyAdmin 5.0.2
- MariaDB 10.4
- Redis 5.0.7
- Memcached 1.5.22
- CertBot 0.40.0
マシンタイプ
Google Compute Engine のマシン タイプを次のになります。
- リージョン:us-central-1c
- VM マシンタイプ:n1-small
- HD:10 GB
WordPress データ
別運用しているサイト「ホーチミン在住✎Channel」のデータをエキスポートし、それぞれのVMにインポートした「【アメリカ輸入】Planet Expressなら簡単、ついでにクーポン使ってプレミアムプランに。」を使用します。
また、SSL 化した状態で計測したいので無料ドメイン Freedom でドメインを取得しています。
※ Google にIndex されないようにクロール禁止にしているのでユーザからアクセスはされないようにしています。また、キャッシュ系のプラグインや最適化などは行っていません。
計測結果
PageSpeed Insights
「PageSpeed Insights」で5回の計測し、その平均値で比較しましたがNGINX とOpenLiteSpeed のスコアが同じでした。
NGINX からOpenLiteSpeed にWordPress 移行してもスコアが変わらないことがわかりました。
改善できる項目(PC/モバイル)に「サーバの対応時間を早くする」の評価が双方で異なっているのでマシンを高性能にすると同じ環境でもOpneLiteSpeed の方が高評価になるかもしれません。
計測 | MB | PC |
Nginx | 55 | 68 |
OpenLiteSpeed | 55 | 68 |
GTmetrix
NGINX とOpenLiteSpeed ともにほぼ同じスコア評価ですが、LiteSpeed では20〜50%程 各ファイルの読み込みが早くなっています。
PageSpeed Score | YSlow Score | Fully Loaded Time | Total Page Size | Requests | ||
Nginx | C(76%) | D(61%) | 6.2s | 2.74MB | 88 | |
LiteSpeed | C(76%) | D(68%) | 6.1s | 2.96MB | 84 |
負荷テスト
パフォーマンス
k8 で「VM 20台 / 5分 / 東京」、メソッドはGETで負荷テストを行いました。
リクエスト数 | Min | 平均値 | 標準偏差 | P95 | P99 | Mix | |
NGINX | 493 | 900ms | 6.49s | 5.36s | 16.61s | 17.81s | 19s |
OpenLiteSpeed | 503 | 929ms | 6.38s | 4.36s | 16.74s | 19.83s | 23s |
緑線:アクティブ VM
水線:レスポンス タイム
紫線:リクエスト レート
スループット
NGINX はVM 15台目からスループットが下がり、150秒あたりで処理落ちしました。
OpenLiteSpeed は20台からのアクセスも耐えましたが、210秒あたりで処理落ちしました。
OpenLiteSpeed の方が多くのアクセスにさばけることがわかりました。
まとめ
負荷がない状態ではほぼ同じスコアで、SEO 的な評価も変わりませんでした。
「ApacheやNginxよりも圧倒的な速度」「超高速」と巷で謳っていますが、実際のWordPress データを使って計測した限りでは「大量のアクセス処理をさばける」「一定の処理速」と評価だと思います。
負荷をかけるとNGINX よりもOpneLiteSpeed の方が効率よくさばけていました。また、各ファイルの読み込み速度も早いので第4サーバと呼ばれるだけのポテンシャルがあります。
今回は構築した状態(素組)での比較テストを行いましたが、CDN やチューニング設定を行うとどうなるか分かりませんが、専用WP プラグイン「LiteSpeed Cache」があるのでOpneLiteSpeed の方がサイトパフォーマンスを向上できる期待感はあります。
アクセスが多くないのであればNGINX でも構いませんが、常時アクセスがあるサイトであればOpenLiteSpeed の方が負荷分散ができるのでサーバの切り替えを検討してもいいかと思います。ただ、OpenLiteSpeed は、LiteSpeed のチューニング情報が少ないので、チューニングするのに苦労するじゃないかと思います。
余談ですが、Marketplace でVM を構築する際にも構築完了になるはOpneLiteSpeed が早かったです。また、openlitespeed-wordpress にはShielded VM が標準追加されているので外部からの脅威にさらされにくく安全に運用できます。
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