Google Cloud Platform(GCP)でOpenLiteSpeed Web Server のWordPress 環境の構築方法をご紹介いたします。また、WordPess のアップロード上限変更も合わせて行います。
所要時間は構築時間を合わせても 30分ぐらいで完了します。
NGINX から OpenLiteSpeed に切り替えるなら「【比較テスト】NginxとLiteSpeed どっちがいいのか?」をご覧ください。
本記事ではOpenLiteSpeed での WordPress 構築を説明しておりますが、NGINX × WordPress 構築記事ありますのでそちらもご覧ください。
>> 【NGINX構築 編】GCP でWordPress をクリック操作のみでデプロイ
はじめに
今回の構築方法は、GCP のMarketplace で WordPress + OpenLiteSpeed Web Server パッケージを利用して環境をデプロイします。また、Always Free(無料枠)に適用される構成にします。
WordPress のデプロイ
Marketplace
左上のメニュー「≡」から「Marketplace」を選択します。
検索バーに「OpenLiteSpeed WordPress」と検索し、リストから「openlitespeed-wordpress 」を選択します。


「運用開始」をクリックし、デプロイの準備を行います。

今回は Always Free(無料枠)に適用するために次の構成にします。
- リージョン:us-west1(オレゴン)、us-central1(アイオワ)、us-east1(サウスカロライナ)のいずれか
- マシンタイプ:e2-micro
- ディスク:HDD 30 GB
上記に合わせて各項目を変更して「デプロイ」をクリックします。


デプロイが完了し、WordPress 使用できる環境が整いましたがこの時点では WordPress はインストールされていません。WordPress をインストールするには一度、SSH 接続を行う必要があります。
WordPress のインストールを行う前に IP アドレスを静的への変更を行います。
IP アドレスの固定
VM インスタンスの IP アドレスがエフェメラル(一時的)のため、VM インスタンスを再起動する度に IP アドレスが変更されてしまいます。
OpenLiteSpeed では IP アドレスを固定化する必要があるため、IP アドレスを静的(固定化)を行います。
左上のメニュー「≡」からVPC ネットワークの「外部 IP アドレス」を選択します。
先程 VM インスタンスで紐付けされたIP アドレスの種類:エフェメラル を「静的」に変更します。

静的にするIP アドレスの適当な名前 / 説明を入力し、「予約」をクリックします。
※名前は後で変更することができません。


以上でIP アドレスの静的化は完了となります。
次に WordPressのインストール作業を行います。
WordPress のインストール
WordPress をインストールする前に VM インスタンスの IP アドレスを DNS 設定してください。
ドメインを検索して OpenLiteSpeed クリックスタート画面が表示されることを確認します。
理由は、Let’s Encrypt を利用して SSL 証明書を発行を行う際に発行するドメインが通っている(認証)ことが前提となります。

左上のメニュー「≡」から Deployment Manager の「デプロイメント」を選択します。
デプロイした VM インスタンス名をクリックします。

「SSH」をクリックし、ターミナルを起動させます。
Let’s encrypt で証明書を発行
ターミナルが起動すると Let’s encrypt 証明書を発行するための自動対話ガイダンスが起動します。
発行しない/自分で設定を行う場合は「ctrl + C」でこの対話をスキップします。
※スキップすると次のSSH 接続時に再度対話ガイダンスが起動します。
Let’s Encrypt は DNS 認証形式での証明書を発行されるため、使用するドメインで検索してページが表示(認証)していることを確認してください。ドメインでページが表示されない場合は SSL 証明書が発行できないため、ドメインの DNS 設定を見直してください。

SSL 証明書を発行するために次の質問されるので、その回答を入力します。
To visit your apps by domain instead of IP, please enter a valid domain.
If you don't have one yet, you may cancel this process by pressing CTRL+C and continuing to SSH.
This prompt will open again the next time you log in, and will continue to do so until you finish the setup.
Make sure the domain's DNS record has been properly pointed to this server.
Enter the root domain only, then the system will add both the root domain and the www domain for you.
IP ではなくドメインでアプリを訪問するには、有効なドメインを入力してください。
まだ、有効なドメインを持っていない場合は、ctrl + C を押してSSHを続けることで、このプロセスをキャンセルすることができます。
このプロンプトは次回のログイン時に再び表示され、セットアップが完了するまで表示されます。
ドメインのDNS レコードがこのサーバーに正しくポイントされていることを確認します。
ルートドメインのみを入力すると、システムはあなたのためにルート ドメインとwww ドメインの両方を追加します。
ここで対話型の質問は以下になります。
Enter the root domain only, then the system will add both the root domain and the www domain for you. Your domain: ルート ドメインのみを入力すると、システムはあなたのためにルートドメインとwwwドメインの両方を追加します。 ドメイン: Please verify it is correct. [y/N] ドメインが正しいかご確認してください。 [y/N]
Do you wish to issue a Let's encrypt certificate for this domain? [y/N] このドメインでLet's encrypt 証明書を発行しますか?[y/N]
Please enter your E-mail: あなたのメールアドレスを入力してください: Please verify it is correct: [y/N] メールアドレスが正しいかご確認してください。[y/N]
ここのメールアドレスは、Let’s encrypt 証明書からの通知されるメールアドレスになります。
登録すると有効期限の1ヶ月前に通知されます。
Do you wish to force HTTPS rewrite rule for this domain? [y/N]
このドメインをHTTPS へのリダイレクト 設定を行いますか?[y/N]

WordPress のインストール
SSL 証明書を発行しただけで WordPress はインストールされていません。
ドメイン名または IP アドレスでページを表示すると WordPress インストールガイドが開始されます。
WordPress 管理言語のインストールが表示されるので適当な管理言語を選択し、次へを押します。

各項目を適当に入力して「WordPress をインストール」を押します。

先程設定したユーザー名とパスワードを入力して、管理画面にログインします。
これで WordPress のインストールと初期設定は以上になります。
WordPress ログインの補足
正しいユーザー名/パスワードを入力してもログイン画面が表示された場合は、ログイン画面へのリダイレクト パラメータが含まれている可能性があるのでページ URLを確認してください。
URL が「https://~~~/admin-login/?redirect_to=〜〜〜」と表記されていた場合は、「?」 からのパラメータを削除してもう一度ログインしてみてください。
以上で WordPress のインストールが完了し、使用することができます。
WordPress を少し使いやすくするために、アップロードの上限サイズを変更します。
WordPress のアップロード上限 変更
デフォルトのアップロード上限が「64 MB」に設定されています。
大きめの画像や WordPress データの移行 などを扱うために、このアップロード上限のサイズを変更します。
VM インスタンスへ SSH 接続を行い、ターミナルを表示させます。
次のコマンドを実行し、php.ini ファイルを開きます。
sudo vim /usr/local/lsws/lsphp74/etc/php/7.4/litespeed/php.ini

アップロードサイズを変更するために、次の上限パラメータの数値に適当な数値に変更します。
upload_max_filesize = 64M
post_max_size = 64M
ノーマルモード時に「/」を入力し、上記のパラメータを入力することで検索できます。


パラメータ数値を変更後はノーマルモードに戻し、「:wp」で保存してファイルを閉じます。

次のコードを実行して LiteSpeed Web Server を再起動します。
再起動することで php.ini ファイルの変更を適用することができます。
sudo pkill lsphp

次のコマンドを実行して、ターミナルを閉じます。
exit
以上で WordPress アップロード上限の変更が完了となります。
ソフトウェアのアップデート
デプロイに利用した openlitespeed-wordpress パッケージに含まれているソフトウェアや OpenLiteSpeed がバージョンを最新のバージョンではない場合があります。
折角なので各ソフトウェアを最新バージョンにします。
次のコマンドを実行して、パッケージに含まれているソフトウェアと OpenLiteSpeed を最新バージョンにアップデートします。
sudo apt-get update && sudo apt-get upgrade openlitespeed -y
以上で OpenLiteSpeed Web Server で WordPress を利用することができます。
まとめ
GCP のMarketplace を使うとクリック操作のみで OpenLiteSpeed × WordPress 環境を簡単にデプロイすることができるのでおすすめです。
OpenLiteSpeed Web Server は第 4世代サーバと言われているだけに NGINX よりもリクエスト処理や WordPress 管理画面の挙動がとても軽くなったのを実感できます。
e2-micro で WordPress 実運用してわかったのですが、メモリ 600 MBではメモリ不足になり、頻繁に VM インスタンスが落ちてしまいます。なので上位のマシンタイプに変更するか、SMAP 領域を利用してメモリを強化する必要があります。
次の記事「OpenLiteSpeed Web サーバーの初期設定」では、OpenLiteSpeed の初期設定に SWAP 領域の設定をご紹介します。
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参考リンク
- LiteSpeed Documentation:WordPress > How do I Change PHP Parameters?
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