2019年12月11日(米国時間)にGoogle Cloud は、Google Compute Engine (GCE) のマシン ファミリーに第2世代 「E2」が追加されました。
このE2 はコスト最適化された汎用 仮想マシンになっており、ベータ版で特定のリージョンのみで使用することができます
公式発表はGoogle Cloud Blog 公式(英語)で公開され、12月25日にGoogle Cloud Japan が日本語翻訳したブログ「Google Compute Engine 向けにコスト最適化された新型汎用 VM「E2」 」が公開されています。
Google Cloud コンソール 画面ではE2 は第2世代となっています。
新しく追加されたE2 概要
E2 machine types are cost-optimized VMs that offer up to 16 vCPUs with up to 8 GB of memory per vCPU. E2 machines have a predefined CPU platform running either an Intel or AMD EPYC processor. E2 VMs provide a variety of compute resources for the lowest price on Compute Engine.
(E2 マシンタイプは、vCPUあたり最大8GBのメモリを備えた最大16個のvCPUを提供するコスト最適化されたVMです。E2 マシンには、Intel またはAMD EPYCプロセッサ を実行する事前定義されたCPUプラットフォームがあります。E2 VMは、さまざまなコンピューティングリソースを提供し、Compute Engine 上で最も低価格で提供します。)
Machine types から引用
このE2 は、N1 と同等の性能を持ちながらも次の特徴があります。
総保有コスト(TCO)の削減
N1 と比べると31%もコストが安くなります。
パフォーマンス
VMは、安定した低価格で信頼性の高い継続的なパフォーマンスを実現します。他のクラウドプロバイダが提供する同等のオプションとは異なり、E2VMは人為的なスロットリングや複雑な価格設定なしに高いCPU負荷を維持できます。
柔軟性
E2インスタンスは、最大16のvCPUと128GBのメモリを搭載できます。同時に、15の新しい定義済み構成またはカスタムマシンタイプの使用機能を使用して、必要なリソースのみをプロビジョニングできます。
E2 VM はIntelおよびAMDの業界標準のx86チップに基づいているため、この価格パフォーマンスを活用するためにコードを変更したり再コンパイルしたりする必要はありません。
GCE なのでライブマイグレーション機能は搭載されています。
Google Cloud 公式 のドキュメントには英語になります。
- Compute Products>Compute Engine>Documentation>Guides>Regions and Zones
- Compute Products>Compute Engine>Documentation>Guides>Machine types
価格
価格は、リージョンによっても値段が変わります。
また、プリエンプティブル仮想マシンと確約利用割引 を使用することができます。
全体的には、N1 と比べ事前定義されたマシンタイプは少ないですが、コストは安くコストパフォーマンスが良いのはE2 になります。
※リージョンがアイオワ (us-central1)で1時間あたりの価格。
共有コア マシンタイプ
標準マシンタイプ
ハイメモリ マシンタイプ
ハイ CPU マシンタイプ
E2 マシンタイプ(ベータ版)
N1 と同様に4つのマシンタイプが用意されています。
- E2 共有コア (shared-core)
- E2 標準マシンタイプ (standard)
- E2 ハイメモリ (high-memor)
- E2 ハイ CPU (high-CPU)
また、N1 と異なる点があります。
- virtioバルーンメモリデバイスをサポート。
- 最大16個のvCPUと128 GBのメモリまでのサポート。
- 事前定義されたマシンタイプ と独自のカスタム マシンタイプ が選択。
- IntelまたはAMD EPYCプロセッサを搭載(可用性に基づいてCompute Engineがインスタンス作成時に選択)
- GPU、ローカル SSD、単一テナントノード、ネストされた仮想化はサポート外。
E2 共有コア マシンタイプ
E2 共有コア マシンは費用対効果が高く、virtioバルーンメモリデバイスを備えており、小さなワークロードに最適です。E2 共有コア マシンは、2つのvCPUをゲストオペレーティングシステムに公開します。これらのマシンタイプは、短時間で最大2つのvCPUまでバースト 可能です。
E2 shared-core マシンには3つのオプションがあります。
CPU バーストは、f1-micro とg1-small マシンと同様の機能です。CPU バーストを使用するとVM インスタンスが追加の物理 CPU を短時間使用できるようになります。バーストは、VM インスタンスが元の割り当て数よりも多くの物理 CPU を必要とした場合に自動的に発生します。このような急激な需要の期間中は、インスタンスは物理 CPU が利用可能になる瞬間を捉えて突発的に活用します。バーストは永続的ではなく、周期的にのみ可能である点にご注意ください。バーストには追加料金は発生しません。
*1. vCPU は、利用可能な CPU プラットフォームのいずれかで単一のハードウェア ハイパースレッドとして実装されます。
*2. 永続ディスクの使用量は、マシンタイプ別の料金体系とは別に課金されます。
*3. ネットワーク帯域幅が指定された制限です。実際のパフォーマンスは、ネットワークの輻輳やプロトコルのオーバーヘッドなどの要因に依存します。
E2 標準マシンタイプ
E2 ハイメモリ マシンタイプ
E2ハイメモリ マシン には、vCPUあたり8 GBのシステムメモリがあります。
E2 ハイ CPU マシンタイプ
2 ハイ CPU マシン は、メモリに比べてvCPUの適度な増加を必要とするタスクに最適です。2 ハイ CPU マシンには、vCPUごとに1 GBのメモリがあります。
使用可能なリージョン
東京(asia-northeast1)と大阪(asia-northeast2)では使用可能リージョンから外れているため、現在は利用することができません。
E2 が使用できるリージョンは次になります。
- アイオワ (us-central1)
- オレゴン (us-west1)
- ベルギー (europe-west1)
- オランダ(europe-west4)
- シンガポール (asia-southeast1)
- 台湾 (asia-east1)
使い方
ローカル SSDやGPUやハイパフォーマンスを必要としない小〜中規模のワークロードに最適です。
一時的に負荷をかける際にE2 へ切り替え、インスタンスの性能を引き上げたいときに適しています。
まとめ
まだベータ版のため、使用できるリージョンとマシンモデルが少ないものの、今までのマシンモデルに比べ、コストが断然安いです。
e2-micro は無料枠(Alway Free)には含まれていないため、無料枠で使用するには今まで通りにf1-micro を選択する必要があります。
2019年12月18日 時点で最も安いマシンタイプが、f1-micro になります。
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