G Suite vs Microsoft 365

G Suite vs Microsoft 365 徹底比較 [2020年版]

* この記事は2020年7月に調査した情報を元に構成されています。

ここ最近、リモートワークやクラウド活用で「G Suite」「Microsoft 365 (旧名:Office 365)」は多くの企業やユーザーに利用されているグループ ウェア サービス(別名:コラボレーション ツール)です。
どちらとも同等の機能を持ち合わせているため、どのサービスを導入するのかと悩んでいる方もおられると思います。

今回は、Google の「G Suite」、 Microsoft の「Microsoft 365」 のサービス/仕様の違いについてご紹介します。


G Suite と Microsoft 365:比較

G Suite とMicrosoft 365 を「基本情報」「エディション」「サービス」「違い」に分けてご説明します。

※ エディンションの価格比較はスキップします。

基本情報

Microsoft 365 はMicrosoft 、G Suite はGoogle が提供しているサービスです。
両者とも米国に本社があり、世界中で利用されている有名なグループ ウェア サービスです。また、パブリック クラウド/ハードウェア/OS も開発・提供している企業です。

G Suite:Logo
Microsoft 365:Logo
G SuiteMicrosoft 365
開発元Google LLCMicrosoft Corporation
旧サービス名Google AppsOffice 365
サービス開始年2007年2011年
SLA99.9%99.9%
支払い方法月/年間 払い月/年間 払い
準拠法カリフォルニア州法日本法
日本語対応対応対応
データの保存場所日本国外東京/大阪
サポート24時間 365日24時間 365日

エディション比較

どちらとも使用者/使用目的でエディションが分かれており、それぞれで若干の仕様が異なっております。
G Suite はシンプルなプランで設定されていますが、Microsoft 365 はプランが細かく設定されており、複雑な体系になっています。

G SuiteMicrosoft 365
家庭向け(none)Personal
Office Home & Business 2019
Office Personal 2019
チーム向けG Suite Essentials
G Suite Enterprise Essentials
(none)
法人向けBasic
Business
Enterprise
Business Basic
Business Standard
Business Premium
Microsoft 365 E3
Microsoft 365 E5
Microsoft 365 F3
Microsoft 365 Apps for enterprise
Office 365 E1
Office 365 E5
教育機関向けG Suite for Education
G Suite Enterprise for Education
Microsoft 365 A1
Microsoft 365 A3
Microsoft 365 A5
Mac 向け(none)Office Home & Student 2019 for Mac

サービス比較

G Suite とMicrosoft 365 は同様のサービスを提供しており、大きな違いはありませんがエディンションによっては、使用できるサービスや機能が制限されています。

G SuiteMicrosoft 365
アカウントG Suite アカウントMicrosoft アカウント
メールGmailMicrosoft Outlook
カレンダーGoogle CalendarMicrosoft Outlook
オンライン ストレージGoogle DriveOne Drive
Office ツールGoogle Docs
Google Sheets
Google Slides
Microsoft Word
Microsoft Excel
Microsoft PowerPoint
ビデオ会議Google MeetSkype
ChatGoogle ChatMicrosoft Teams
管理ツールAdminadmin center
情報検索Cloud SearchMicrosoft Search
情報共有Google CurrentsYammer
サイト作成Google SitesSharePoint
フォーム作成Google FormsMicrosoft Forms
メモGoogle KeepOneNote
ホワイトボードGoogle JamboardMicosoft Whiteboard
To DoGoogle ToDoMicrosoft To Do
アーカイブGoogle VaultMicrosoft Intune

* エディションによって利用できないサービスもあります。

サービスの仕様/特徴について

アプリーケーションの違い

G SuiteMicrosoft 365
アプリケーション利用ブラウザブラウザ/ デスクトップ
アップデート不要デスクトップは必要

G Suite はブラウザ上でアプリケーションを利用しますが、Microsoft 365 はブラウザとデスクトップがあります。デスクトップはローカル環境にインストールしてアプリケーションを利用することになります。そのため、アップデート作業にも違いがあります。
ブラウザ アプリはアップデート作業は不要ですが、デスクトップ アプリはアップデート作業が必要になります。

* 両サービスのモバイル アプリケーションはアップデートが必要です。

最大ユーザ数の違い

G SuiteMicrosoft 365
最大ユーザー数無制限最大 300ユーザー/無制限

G Suite はどのエディションでもユーザー数を無制限に追加する事ができます。Microsoft 365 の基本エディション(Business)では最大 300ユーザーまでとなっており、エディションをグレードアップすることでユーザー数を無制限にすることができます。

オンラインス トレージの違い

G SuiteMicrosoft 365
サービス名Google DriveOneDrive
ストレージ30 GB / 無制限*1 TB

G Suite Basic はユーザー 1 人あたり 30 GB ですが、Business 以上ではストレージ容量が無制限* となります。
Microsoft 365 はすべてのエディションでユーザー 1 人あたり 1 TB ですが、追加購入することでストレージを容量拡張することができます。しかし、無制限は一部のプランのみしか展開されていません。

* G Suite:5 ユーザー未満の場合は、ユーザー 1 人あたり 1 TB となります。

使用可能台数の違い

G SuiteMicrosoft 365
台数制限無制限最大 5台

Microsoft 365 では1 ユーザーあたり最大5台までという台数制限があります。
G Suite は台数制限がなく、デバイスを問わず利用することができます。
そのため、Microsoft 365 ではPCやスマートフォンと買い替えたときにデバイス登録設定を更新する必要があります。

データ保存場所の違い

G SuiteMicrosoft 365
保存先Google DriveOneDrive / ローカル

G Suite の各ファイルはGoogle ドライブ上でのクラウドでのが保存が行われます。
Microsoft 365 はOneDrive またはローカルでの保存が行えます。ローカルに保存した場合は、OneDrive と同期することでクラウド保存されます。

開発環境の違い

現在では両サービスともオフライン/クラウド(オンライン)で使用することができますが、もともとは開発思考が異なっておりました。

  • Microsoft はソフトウェア開発の会社で、Microsoft 365 はローカルでの利用を想定して作られ、後からクラウド対応。
  • Google はWebアプリケーション開発の会社で、G Suiteはブラウザでの利用を想定して作られ、後からオフライン対応。

スクリプト言語の違い

G SuiteMicrosoft 365
スクリプト言語Google Apps Script (GAS)Visual Basic for Applications (VBA)

Microsoft 365 のVBA はVisual Basic、G Suite のGAS はJavaScript がそれぞれのベースになっています。

中国での利用について

G SuiteMicrosoft 365
中国での利用利用不可利用可能

中国政府は中国国内及び自治権内でのGoogle へのアクセスをブロックされているため、G Suite を利用する事ができません。
Microsoft へのアクセスはブロックされていないため、Microsoft 365 は中国を含め、全世界での利用が可能です。

*2020年7月時点での情報になります。

それぞれの強み

クラウドでの完結できる「G Suite」

G Suite の強みは、すべての作業がクラウドでで使用/管理できることです。
ロケーションやデバイスに影響されず、チームでの共同作業に向いており、ユーザーの生産性を高めてくれます。
また、管理面ではデバイスへのインストール作業やローカルにデータを保存する必要なく、G Suite アカウント情報をユーザーに伝えるだけですぐに利用/削除できます。アカウント削除やデバイスを変えてもデータ移行する必要はないのでシームレスに使い続けることができます。

G Suite は2007年から提供されておりますが、社会/企業がクラウドを活用し始めたのは近年なので従来のシステムとの連携は改修作業が必要で相性がいいとは言い難いところです。しかし、新しいシステムはクラウドとの相性が良いのでG Suiteとの相性は良いです。

Office ツールに強い「Microsoft 365

Microsoft 365 の最大のポイントはMicrosoft であることです。
Microsoft のOffice ツール を利用しているシステムが多く、互換性があることが がG Suite にはない最大の強みです。それにより、新しく導入しても大きな問題が発生にくい/変更箇所が少ないのも見逃せないポイントです。

昔からのアプリケーションを使いたい、企業として変化が難しい、従来のシステムを運用している といった場合はMicrosoft 365 を選択することになります。

G Suite でもオフラインでも対応しておりますが、Microsoft 365 の方が対応しているのも特徴です。ただ、これにより完全なクラウドではないとも言えるのでデータ同期には注意する事になります。

まとめ

「G Suite」と「Microsoft 365」をご紹介しました。
どちらも優れたサービスで同様の機能があるため、実際の導入を考えると、迷われる方も多いのではないかと思います。

導入する際に目安になるのが「会社の方針(ビジネス要件)、何をしたいのかを考えて選ぶ」ということです。
どちらも組織規模・業務内容・体制によって異なるので選定する場合はそれらの要件を整理した上で検討することが必要です。しかし、どちらのグループウェアも組織を強力に支援してくれるサービスです。

個人的には

私個人は会社では「Microsoft 365」、プライベートでは「G Suite」とシチュエーションによって使い分けていますが正直面倒です…。

基本的にはG Suite が使いやすいと感じていますが、Ofiice ツールに関してはMicrosoft 365 に分があると思います。
Microsoft 365 とG Suite ともに相互のデータ移行やファイル変換は簡単に行えますが、Microsoft 365 からG Suite に変換した場合はデザインが崩れる場合があります。
Microsoft 365 のOffice ツールへの機能は非常に高く、ExcelでのグラフやWord の原稿機能はG Suite Office ツールにはない高品質な機能があるためです。

G Suite Office にはない機能

  • Word:ルビの追加(ふりがな)
  • Word:縦書き
  • Word:行間の細かい調整
  • Excel:グラフのデザイン

ただ、Microsoft 365 は各サービスが独立/分断されている感じでMicrosoft 365 では完結しません。ビデオ会議でSkype を使う際にはアカウントを求められるのでUX は心地よくありません。
G Suite は、G Suite アカウントでログインしておけばどのサービスも使えるので楽です。また、メールアドレスや連絡帳もサービスを跨いで使えるので気持ちいです。

参考記事

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