このサイトに検索キーワード「レイテンシー」でアクセスされているユーザーが意外と多いので、Amazon Web Service (AWS)、Google Cloud Platform (GCP) 、Microsoft Azure (Azure) のパブリック クラウドのレイテンシー測定をベトナムのホーチミンで行ってみました。
同じ内容で2019年11月にホーチミンでのレイテンシー測定を行っていましたが、測定結果表が見づらかったり、測定ツールによって数値がバラツキがあったりと正しい数値が取得できていなかったのでやり直しということで再度測定してみました。
まず対象のパブリック クラウド / 測定方法 /測定ツール を記載します。
対象パブリック クラウド
ベトナムのホーチミンで次のパブリック クラウドのレイテンシー速度を測定してみます。
ベトナムには、どのクラウドもデータセンターが設立されていません。
- Amazon Web Service
- Google Cloud Platform
- Microsoft Azure
測定ツール
前回は、バラバラのPing 測定ツールを使用していましたが、今回は同じ測定が行える「cloudpingtest.com」を利用します。
cloudpingtest.com は、公式のツールではありません。
測定方法
使用するデバイスは、Google謹製 Pixelbook Go (i5, 8 G)。
使用するネットワークは、CMC Telecom 社のビジネス回線(85 Mbps /共有)。
- Google Chrome のシークレットモード を使用。
- 有線Lan ケーブルに接続した状態で計測。
- 測定時には測定するタブのみを起動し、その他のタブ及びウィンドウを閉じる状態。
- 測定中には極力何も動作を行わない。
- Test 6まで行い、Mean(平均値) / Median(中央値) / Min / Max を計測。
測定結果
3大パブリッククラウド 比較 / 各パブリック クラウド レイテンシー の順で記載しています。
AWS / GCP / Azure 比較
共通リージョンだけをピックアップし、Mean(平均値)を抜き出しております。
リージョンがないクラウドは「(none)」と記載しています。
※レイテンシー速度単位はms。
Area | Region | AWS | GCP | Azure |
AMERICAS | Brazil (São Paulo) | 410 | 360 | 385 |
AMERICAS | Canada (Toronto) | 449 | 261 | 258 |
AMERICAS | USA (California) | 198 | 202 | 215 |
AMERICAS | USA (Iowa) | (none) | 228 | 260 |
AMERICAS | USA (Oregon) | 216 | 193 | 215 |
AMERICAS | USA (Virginia) | 310 | 246 | 285 |
ASIA | Australia (Sydney) | 181 | 142 | 169 |
ASIA | China (Hong Kong) | 44 | 66 | 184 |
ASIA | India (Mumbai) | 181 | 115 | 141 |
ASIA | Japan (Osaka) | 130 | 121 | 100 |
ASIA | Japan (Tokyo) | 120 | 107 | 133 |
ASIA | Korea (Seoul) | 136 | (none) | 94 |
ASIA | Singapore | 53 | 57 | 81 |
EUROPE | France (Paris) | 336 | (none) | 239 |
EUROPE | Germany (Frankfurt) | 315 | 336 | 238 |
EUROPE | Ireland | 335 | (none) | 250 |
EUROPE | Netherlands (Eemshaven) | (none) | 335 | 260 |
EUROPE | Switzerland | (none) | 342 | 233 |
EUROPE | UK (London) | 330 | 326 | 242 |
AWS レイテンシー 結果
GCP レイテンシー 結果
Azure レイテンシー 結果
まとめ
ベトナムのホーチミンは、シンガポールまたは香港 リージョンが最もレイテンシーが低かったです。
同じアジア圏のリージョンであれば比較的に低レイテンシーですが、異なる大陸のヨーロッパやアメリカが200 〜 450 ms と高レイテンシーになりました。
測定して面白かったのが、各クラウドでの最低と最大の振れ幅。
AWS と Azure は各測定でのバラツキや最低時と最大時の振れ幅がありますが、GCP は逆でした。GCP の測定値はバラツキがなく、また振れ幅が少ないのがわかります。
全てのクラウドは、ベトナムにエンドポイントを置いていない?ようなので各データセンターに接続するには、ベトナム国内の一般ネットワークを通り、国外のエンドポイントに入る形になります。ただ、Google はケーブルネットワークを所持しているのでそこで数値に安定しているのかもしれません。
中国に強いAlibaba
アジア のパブリッククラウドといえば「Alibaba(阿里巴巴)」。ベトナムは中国と接しているので「Alibaba はどうなのか?」と思い、Ping 測定をしてみました。
測定ツールは異なるので3大 パブリッククラウドとの比較は難しいですが、アジア大陸のリージョンであれば、低レイテンシーであることがわかります。ただ、海や大陸を超えたリージョンは、高レイテンシーになっているのが目立ちます。
Leave a Reply
View Comments